ビライト・バイオ【BLTE】銘柄分析_視力喪失疾患への経口治療薬が臨床段階

米国株の年次決算書・銘柄分析
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ビライト・バイオ(Belite Bio Inc / BLTE / ベライト・バイオとも呼ばれる)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。

なおビライト・バイオは2022年4月にIPOしたばかりの企業で、現在(記事作成時点)は治療薬を開発中のため、販売できる製品は持っていません。
記事の内容も事業内容に重点を置いたものになっています。

  • 販売できる製品はナシ
  • 開発中の主力製品は第3相臨床試験開始
  • 主力製品の対象となる疾患は現状治療法がない

それでは見ていきましょう。

1. Belite Bio Inc(BLTE)について

1-1. 業種

バイオテクノロジー

1-2. 事業の概要

ビライト・バイオ(ベライト・バイオ)は、萎縮型加齢性黄斑変性症(ドライ型AMD)や常染色体劣性遺伝によるスターガルト病(スターガート病)などの、現在治療が困難・不可能とされる眼疾患の治療法を開発している企業です。

徐々に視力が低下していくこれらの病気に対して、ビライト・バイオは経口治療薬を開発しています。
IPOの目論見書によると、開発パイプラインの主力であるLBS-008(Tinlarebant)はスターガルト病患者を対象とした第2相臨床試験を実施しており、目論見書の日付時点では第3相臨床試験を開始し、台湾、イギリス、香港、スイスでの患者登録開始の承認を受けているとされます。
また、他の地域での同様の臨床試験実施の承認を申請中です。

なお、LBS-008はスターガルト病患者に対する臨床試験が進んでいますが、萎縮型加齢性黄斑変性症はスターガルト病によく似た症状・経過を示すことなどから、両方の患者に同様の効果が得られると予想されており(イギリス国立健康研究所から、両方の臨床開発の優先事項として推薦されている)、更にその他にも非アルコール性脂肪肝、2型糖尿病、痛風などの治療薬開発も行っています。

萎縮型加齢性黄斑変性症は高齢者の視力喪失の主な要因であり、目論見書ではその患者数が米国で1,100万人、全世界で見ると1億9,600万人に上ると見られること、そして医療費は2,550億ドルと推定されることが述べられています。

1-3. チャート

ビライト・バイオの株価チャートです。
2022年4月末頃にIPOした後、しばらくは株価に大きな変動はありませんでした。
しかし6月頃から上昇し始め、15ドル程度だった株価は一時40ドルを超えました。
7月20日頃からは少々下落気味ですが、それでも記事作成時点の株価は37ドルとなっています。(2022年7月27日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 販売できる製品はなし
    →毎年赤字で債務超過状態
  • IPOで3,600ドルの資金調達
    →債務超過解消が見込まれる

2-2. 収益性

  • 販売・販売以外の収益なし
    →現状は収益性がない

2-3. 売上・費用について

  • 販売製品・コラボ収益などなく売上ゼロ
  • 2021年度は営業費用の約75%が研究開発費
  • IPO・人員増加で一般管理費も増加見込み

販売できる製品がなく、技術提供やライセンス、コラボレーション契約などによる収益もないため、売上は未だにゼロの状態です。

営業費用は2020年度に約5.7百万ドル、2021年度に約9.8百万ドル発生しており、その中でも大きな割合を占めるのは研究開発費です。
研究開発費は2020年度に3.7百万ドル、2021年度に7.4百万ドルかかっています。
この内訳としては、臨床試験に関する費用・契約研究費が大きく、2021年度は研究開発費全体の86%を占めていました。

また、IPOや従業員増加の計画などに伴い、今後は一般管理費も大幅に増加していくことが予測されます。

3. まとめ

クロとしては、ビライト・バイオ(BLTE)の購入は一旦見送りますが、今後も市場の動きと併せて見守っていきたいと思います。

現状明確な治療法が確立されていない疾患に対する研究を行っているため、治療薬が認証されれば大きな利益を生み出す可能性があります。
臨床試験もある程度進んでおり治療薬の開発実現に期待したいところですが、この試験の結果次第で株価が大きく左右される、リスクの高い銘柄です。

臨床試験の進捗や結果が出るにはある程度時間がかかるため、期待が高まっている現状ではすぐに保有せず、随時様子を見ていきたいと思います。

今回の記事はBelite Bio Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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