ブルームエナジー【BE】銘柄分析_分散型水素発電を提供

米国株の年次決算書・銘柄分析
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ブルーム・エナジー(ブルーム・エネルギー / Bloom Energy Corp / BE)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. Bloom Energy Corp(BE)について

1-1. 業種

再生可能エネルギー、電子テクノロジー、電化製品

1-2. 事業の概要

ブルーム・エナジーは、水素・天然ガスなどを利用した定置型燃料電池、つまり分散型電源を提供する企業です。
電力が消費される場所で電力を生成する分散型電源には、通常の集中型電源の送電網の問題などを回避できるメリットがあります。

特許を取得している固体酸化物形燃料電池の技術を用いた分散型電源”BloomEnergyサーバー”は、10㎝の立方体サイズで一般家庭の年間消費電力2.5軒分に相当する電力を生み出し、サーバー1基の標準的な発電量(200kW)で平均的なオフィスビル1棟分をまかなえるとしています。
この固体酸化物形燃料電池とは、セラミックスで構成され高温で稼働する発電装置です。
水素(フューエルセル・エナジーのように天然ガスなども利用可能)と酸素の化学反応による発電、熱によるエネルギー供給が可能で、発電効率が高いという特徴もあります。

BloomEnergyサーバーは、データセンターや病院などに求められる安定した電力供給を可能にする冗長性も確保された設計となっています。

また、ブルーム・エナジーは”Bloom Electrolyzer”という水素を生成する電解槽も提供しています。
これはEnergyサーバーと同様に固定酸化物を利用したプラットフォームで、高温で動作することによって水素生成に必要なエネルギーが少なくて済み、効率的な生産が可能だとしています。
Bloom Electrolyzerは100%再生可能エネルギーからグリーン水素を生成するように設計されており、生成された水素は燃料源として使用する他、貯蔵も可能です。

2021年度の決算時点では米国が最も大きな市場となっており、2番目に大きな市場は韓国です。
また、インドや日本でも小規模な展開を行っている他、ヨーロッパ、東南アジア、オーストラリアで追加プロジェクトを開発中だとしています。

1-3. チャート

ブルーム・エナジーの株価チャートはこのようになっています。
2020年2月頃の市場全体の下落(新型コロナ感染拡大による)の後、株価は力強く上昇しました。
しかし2021年2月頃をピークに下落に転じ、その後は大きく上下しながらも下落傾向にあります。
ただ、直近は少々上向き気味のチャートです。(2022年5月23日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 資産の流動性は問題なし
  • 自己資本比率は低く、償還株式を除くと債務超過
  • キャッシュフローも良くない

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

BE貸借バランス_2021

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”おおむね安心タイプ”です。(※償還株式を純資産に含めて計算した場合)

流動比率は235%、当座比率は152%と十分な数値なので、資金繰りはひとまず問題ありません。

固定比率がかなり高いですが、純資産と固定負債でまかなえているので、こちらもひとまずは安心できます。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は約10%と低いです。
また、負債の側面が強い償還可能株式を保有しており、これを省いて計算した場合は債務超過状態となります。

2-1-3. キャッシュフロー

営業活動がマイナス、投資活動がマイナス、財務活動がプラスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはマイナスです。

事業が赤字で、現金の移動を伴わない各種費用などの調整を行っても、営業活動によるキャッシュフローはマイナス収支のままとなっています。

投資活動では、建設中の建物などの固定資産に関する支出が大きく、こちらもマイナス収支です。

財務活動では、債務・償還可能株式の発行によって資金を調達しており、プラス収支となっています。

2-1-4. 項目まとめ

流動性の高い資産をしっかり保有しているので、ひとまずの資金繰りは大丈夫でしょう。
しかし自己資本は小さく(償還株式を省くと債務超過)、キャッシュフローも良くないバランスなので、あまり安定性が高いとは言えません。

2-2. 収益性

  • 赤字続きで2020年度・2021年度は損失急増

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

債務超過の年が多く、参考にならないため割愛します。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

BEのROA(総資産利益率)推移_2021

赤字のため、ROAはマイナスの数値が続いています。

総資産、純損失共に増減していますが、2018年度~2019年度の損失額(約300百万ドル前後)と比較すると、2020年度~2021年度の損失額(約160百万ドル前後)は小さくなっています。

2-2-3. 項目まとめ

赤字続きのため、収益性はまだほとんどない状態です。
ただ、直近2年間はそれ以前より損失額が削減されているため、この傾向が維持されれば状況も変わってくるかもしれません。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率は低めだが同程度をキープ
  • 固定資産回転率が若干上昇傾向

2-3-1. 各回転率

BEの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2021

直近3年間は総資本回転率が0.5回以上を維持しています。
最低ラインが1回とされるので、この数値は低めではありますが、総資本の増加に伴って売上も増えていることがわかります。

固定資産回転率は少しずつ上昇しており、今回は1回を超えました。

棚卸資産回転率は毎年上下しています。

2-3-2. 項目まとめ

総資本の大きさと比較すると売上はまだまだ物足りない状態です。
総資本回転率が低下していないので効率の悪化はないようですが、もう少し売上を増やしたいところです。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 2021年度は前年比22%の売上成長
  • 営業損失は増減を繰り返している
  • 売上高研究開発費率は平均の約2倍

2-4-1. 売上高と営業利益

BEの売上高推移_2021

2021年度は前年比22%売上が増加しました。

製品販売やサービス売上は成長していますが、設置工事を伴わない納入が増え、設置収益は減少しています。
また、一部価格の引き下げがマイナスに影響しました。

なお売上のほとんどは製品販売で、2021年度は売上全体の68%を占めています。
次いで大きなものは15%を占めるサービス売上、次は設置収益(10%)、一番小さいものはPPA収益(7%)です。

BEの営業利益(損失)推移_2021

営業損失は増減を繰り返していますが、直近2年間は損失が少々削減されています。

2021年度は運賃上昇やサプライチェーンの価格圧力が強く、前年と比べて原価コストが増加しました。
ただ、一部コスト削減努力(自動化や生産量増加による効率化など)で相殺されたとしています。

こういった変化により、粗利率は2020年度の21%から20%へ1ポイント低下しました。

また、事業強化のために各種事業費用も増えています。
研究開発においては、サポートするロードマップとして、水素、電解槽、炭素回収、海洋・バイオガスソリューションなどを挙げました。

2-4-2. 研究開発費

売上高は約972.18百万ドル、研究開発費は約103.40百万ドルだったので、売上高研究開発費率は10.6%となります。
科学技術・学術政策研究所によると※1同程度の従業員規模の平均は5.2%とされているため、平均の約2倍という数値です。

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

売上は増加傾向にありますが、営業損失の継続的な削減はできていません。
このような状況を考えると、売上の成長が少々物足りないようにも感じられます。

2021年度に関しては、他の多くの企業と同様にインフレやサプライチェーンの問題が影響しているようなので、これが数年内に解決するのかは注意しておきたいです。

3. まとめ

クロとしては、ブルーム・エナジー(BE)は一旦様子を見たいと思います。

ブルーム・エナジーの売上は増加傾向にありますが、未だ継続的な赤字削減に至っていません。
現在は採算度外視で事業拡大に重点を置いていると考えられますが、それにしては他のグロース銘柄と比べて売上の成長が少々物足りないと感じます。

また、実質的に債務超過に陥っているという点が気になります。
信用度の高い企業であれば債務超過でもあまり心配要りませんが、ブルーム・エナジーはまだ大きな信用を得ている企業ではないので少々気がかりです。

ただ、貯蔵も可能な水素電解槽や、燃焼を伴わない分散型電源といった事業自体は社会のニーズにマッチしているので、今後も経過を見守っていきたいです。

今回の記事はBloom Energy Corpの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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