エアロバイロンメント(AeroVironment Inc / AVAV)の7月締め四半期決算(2022年第1Q)について、アナリスト予想とも比較しつつ内容をまとめていきます。
■エアロバイロンメントの事業内容や年度末決算、銘柄分析を行った記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較
アナリスト予想を上回るEPSを達成しています。
ただ、今期は予想も実績値も赤字でした。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
※一部締め日が若干変動している(翌月1日など)期もありますが、見やすくするため各月末締めで表記しています。
2022年第1Q(今期)の売上は、前年同期比では16%増加していますが、前期である2021年第4Qより減少しました。
前年同期と比較すると、今期はArcturus社買収の影響もあってサービス収入が増加したものの、製品売上が減少しています。
また、原価がかなり大きくなりましたが、これは収入の増加に伴うものの他、無形固定資産の償却費も影響しています。
なお、今後も売上に占めるサービス収入の割合が以前より高くなると予想していますが、このサービス収入は製品売上と比べて粗利率が低いので、全体的な利益率に影響を与え続けるかもしれません。
また、2022年第1Qは赤字に転じています。
これは、粗利率の減少、買収による関連費用や人件費の増加が主な原因です。
3. その他の補足
3-1. バックログ
バックログは、ざっくり言うと”受注残”のようなものです。
受注したものの、まだ契約履行義務が残っており、現時点では収益として認識されていないため、今後高確率で売上に計上される金額です。
2022年第1Q末時点で、契約履行のための資金調達済みのバックログは約2億5,770万ドルあり、前四半期から22%増加という結果になりました。
4. まとめ
エアロバイロンメント(AeroVironment Inc)の2022年第1Qは、赤字に転落するという残念な結果となりました。
買収によって費用がかさむ状態が続いていること、粗利率の低いサービス収入の割合がこれまでよりも増えていきそうなことが気になります。
一方でバックログが増加しているので、売上は今後も順調に伸びていきそうです。
無人航空機という分野自体も継続的に需要はあると考えるので、利益率が改善され黒字に戻れるか、しばらく追っていきたいと思います。
(エアロバイロンメントの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2020~2021年のAeroVironment Incの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
過去の分析記事はこちらに一覧化しています。
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