インテュイティブ・サージカルが暫定売上などを発表しましたが、その競合になると目されているアセンサス・サージカル(Asensus Surgical Inc. / ASXC)の見通しはどうなっているのでしょうか。
早速発表された内容を見ていきましょう。
■第4Q決算・2021年年次決算をまとめた記事もこちら↓にあります。
1. アセンサス・サージカルとは
アセンサス・サージカルは、インテュイティブ・サージカル(ISRG)のダ・ヴィンチと同様、内視鏡手術(腹腔鏡下手術)の支援を行う手術ロボット”センハンス・サージカル・システム(Senhance Surgical System / センハンス・デジタルラパロスコピー・システム)”を開発・製造・販売する企業です。
一部既存の器具の利用やリユースが可能で、ダ・ヴィンチ・システムよりも経済的だとしています。
また、張力や圧力といった触覚を執刀医にフィードバックするなど、独自の機能を搭載しています。
■アセンサス・サージカルの事業内容や年次決算などをまとめた記事はこちらにあります。
2. 発表された暫定結果
2-1. 売上
2021年第4Qの暫定売上は、約2.1百万ドル~2.5百万ドルです。
前年同期は1.1百万ドルだったため、約2倍の売上を達成したことになります。
また、アナリスト予想は約1.5百万ドルとされていたので(TradingViewより引用)今回の暫定値が正しければ、予想値を大きく上回る結果です。
通年での暫定売上は約7.9百万ドル~8.3百万ドルで、前年比147%~159%の増加となる見込みです。
ただ、過去の通年売上は2018年以降減少が続いており、この数値が正しければ、2021年の暫定売上は2019年を若干下回ることになります。
■過去の通年売上はこちら、また四半期売上はこちらで紹介しています。
2-2. 手術件数
インテュイティブ・サージカル同様、アセンサス・サージカルも付属品・消耗品の売上、サービス契約の売上に直結する手術件数は重要です。
2021年第4Qにセンハンス・サージカル・システムが利用された手術は500件以上とされ、前年同期比で25%増加しています。
通年では2,000件以上の手術が行われており、前年比42%増加しました。
また、中でも米国での手術件数は90%以上増加しており、伸び率では飛び抜けています。(ちなみにアジアは14%増加、EMEAは42%増加)
2-3. 導入数
2021年(通年)は、合計10台の導入が完了しました。
内訳としては、1台がアメリカ、6台はEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカを指す)、3台はアジアです。
3. その他発表・補足
2021年4月、インテュイティブ・サージカルのダ・ヴィンチと、アセンサス・サージカルのセンハンス・サージカル・システムのコスト比較が発表されました。
その結果、センハンス・サージカル・システムは、半分以下のコストだということが示されています。
他にも、新たな器具の認可やクリアランス取得など、2021年には様々な進展があったとしています。
4. まとめ・次回決算
アセンサス・サージカル(ASXC)は、2020年の導入数ゼロという残念な結果を乗り越え、2021年は10台の新規導入を達成しました。
10台~12台を目標としていたので、下限値ながら達成されたと言えるでしょう。
ただ現状の数値は、打撃を受けた2020年から持ち直したといったところなので、今後更に導入を増やしていけるかが重要となりそうです。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
コメント
アセンサスサージカルは情報も少なく不安になること多いですが、良い結果も悪い結果も書いてくださることがとてもうれしいです。
この会社がどうなるかはわかりませんがとても助かります
ありがとうございます
小林様、コメント、そしてとても嬉しいお言葉をありがとうございます。
返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
投資などの判断の際、当サイトが少しでもお役に立てていたら幸いです。
純粋な手術ロボット企業として、アセンサスサージカルは私もとても気になっているので
これからも決算やプレスリリースなど、積極的に取り上げていきたいと思います。