先日発表されたアセンサス・サージカル(Asensus Surgical Inc. / ASXC)の6月締め四半期決算(2022年度第2Q)について、アナリスト予想とも比較しつつ内容をまとめていきます。
なお、旧社名はトランスエンテリックス(TransEnterix / TRXC)です。
■アセンサス・サージカルの銘柄分析はこちらでまとめています。
1. アナリスト予想との比較
EPSはほぼアナリスト予想通りですが、売上は2四半期連続で予想値を下回りました。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:千ドル)
今四半期は前四半期に引き続き、約1百万ドルの売上となりました。
前年同期比では10%減少という結果になっており、特に大きく減っているのは製品売上です。
なお、サービス収益は微増、リース収益は微減となっています。
一方費用と損失を見てみると、営業費用は前年同期比23%増加し、18.2百万ドルとなりました。
特に研究開発費が77%増えており、費用増加の大きな要因となっています。
なお営業損失も前年同期比で22%増加し、19.6百万ドルという結果です。
3. その他の補足
3-1. 手術件数の増加
2022年度第2Qに”Senhance Surgical Systems(センハンス・サージカル・システム)”を利用して行われた手術件数は670件以上とされています。
この件数は、前年同期比で34%の成長となります。
ただ、前四半期の手術件数は650件以上という発表だったため、短期的に劇的な増加があったわけではないようです。
また、割合ではEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカなどの地域を指す)での手術件数が引き続き大きく伸びており、今四半期の成長率は77%とされています。
3-2. 導入台数などのガイダンス
今四半期はドイツの大学病院に1台のセンハンス・サージカルシステムを新規導入することができました。
また、今後の導入分として2台の注文を受けているとしています。
しかし今回の決算では、通年での導入台数が8台~10台になる見込みであるとされました。
これは前回の決算時の見込みから(10台~12台)から減少しています。
なお、2022年度下半期に多間接器具の本格的な商品化を予定している点、ISUマシンビジョンのCEマーク(EUでの基準適合マーク)取得や、アメリカでの小児用認可の取得(申請)を目指すという点は変わりません。
4. まとめ
アセンサス・サージカル(ASXC)の2022年度第2Qには1台の新規導入があったようですが、通年の見込み台数の幅が下方修正されました。
また今四半期は、新規導入が無かったはずの前四半期よりも売上が減少しており、なかなか順調な成長が見られません。
純粋な手術ロボット企業として今後も追っていきますが、クロとしてはまだ資金の投入は見送りたいと思います。
(アセンサス・サージカルの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事はAsensus Surgical Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
過去の分析記事はこちらに一覧化しています。
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