先日発表されたアセンサス・サージカル(Asensus Surgical Inc. / ASXC)の3月締め四半期決算(2022年度第1Q)について、アナリスト予想とも比較しつつ内容をまとめていきます。
なお、旧社名はトランスエンテリックス(TransEnterix / TRXC)です。
■アセンサス・サージカルの銘柄分析はこちらでまとめています。
1. アナリスト予想との比較
EPSはアナリスト予想の数値通りという期が続いています。
また、直近2四半期は売上が予想を上回っていましたが、今四半期は未達でした。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:千ドル)
今四半期は売上が約1百万ドル、純損失は約19百万ドルとなりました。
前年同期と比較すると、売上は49%減少、純損失は10%増加という結果です。
また、事業そのものからの損失を表す営業損失も23%増加しています。
これらの要因としては、製品カテゴリの売上減少(75%減)、研究開発費、販売・マーケティング費用、一般管理費の増加などが挙げられます。
製品の販売台数がまだ少なく、かつ価格が高いため、四半期ごとの売上に大きくバラつきが出ているようです。
3. その他の補足
3-1. 手術件数の増加
2022年度第1Qに”Senhance Surgical Systems(センハンス・サージカル・システム)”を利用して行われた手術件数は650件を超えました。
この件数は、前年同期比で31%の成長となります。
なお、この手術件数の増加はEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカなどの地域を指す)が最も大きく、増加率は51%となっています。一方、米国では4%、アジアでは3%の増加です。
3-2. 導入台数などのガイダンス
決算と共に、2022年度の目標やマイルストーンも示されました。
導入台数は、2022年度通年で10台~12台となる予定です。
これは2021年度と同じ目標で、2021年度は10台のセンハンス・サージカル・システム導入を達成しました。
また、2022年度下半期には、多間接器具の本格的な商品化、アメリカでの小児用認可の取得、ISUマシンビジョンのCEマーク(EUでの基準適合マーク)取得などが達成される見込みです。
4. まとめ
アセンサス・サージカル(ASXC)の2022年度第1Qには新たな製品の導入がなかったようで(○台導入という記述がなかった)、売上の伸びない四半期となりました。
また、通年での予定導入台数も昨年度と同じ内容を維持しているので、飛躍的な成長は見込みづらいと感じます。
すぐに保有したくなる内容の決算ではありませんが、導入台数が増えていくことで、サービス収益や付属品・周辺機器などの収益が上積みされていくことに期待して、今後も注目したい銘柄です。
(アセンサス・サージカルの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事はAsensus Surgical Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
過去の分析記事はこちらに一覧化しています。
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