2021年6月四半期決算【ASXC】アセンサス・サージカル

米国株の四半期決算
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アセンサス・サージカル(Asensus Surgical Inc. / ASXC)の6月締め四半期決算(2021年第2Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。
なお、旧社名はトランスエンテリックス(TransEnterix / TRXC)です。

アセンサス・サージカルの事業内容や年次決算について紹介した記事はこちらにあります。

1. アナリスト予想との比較(EPS)

アナリスト予想をわずかながら上回る結果が続いています。

ASXCのEPS_アナリスト予想と実績比較

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。

2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

ASXCの売上高・純利益(損失)

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)

2021年第2Qは、第1Qより売上、純損失共に減少しました。
また、売上高のアナリスト予想は1.5百万ドルで、40万ドル足りない結果となりました。

2020年は販売台数0台だったアセンサス・サージカルですが、2021年に入って2台のリース契約を締結し、臨床プログラムを開始するとしています。(なお、2021年通年での目標は10~12台の新規導入としている)

なお、売上よりも売上原価の方が大きい状況はまだ変わっておらず、第2Q(6月締め四半期)は売上1.1百万ドルに対して売上原価が2.4百万ドル、上半期で見ても売上3.2百万ドルに対して売上原価5.5百万ドルとなっています。

また、他の費用も大きく、研究開発には上半期で8.3百万ドルを費やしており、販促費・管理費や償却費などの合計は20.9百万ドルにもなります。

3. その他の補足

3-1. 手術件数の増加

2021年上半期の”Senhance Surgical Systems(センハンス・サージカル・システム)”を利用した手術は、1,000件を超えました。
これは、上半期の業績として過去最高の数値です。

また、インテリジェント・サージカル・ユニット(ISU)を活用した手術は150件以上行われています。

ちなみにインテリジェント・サージカル・ユニット(ISU)は、画像処理機能の追加や内視鏡の動きを拡張するもので、術野内の物体・位置の認識や、音声コマンドでのカメラ操作などを可能にしています。

3-2. 拡張機能の承認

2021年7月28日に、Senhance Surgical Systemプラットフォームの新たな間接器具のFDA 510k(欠陥等があった場合、患者の負傷の可能性があり得る医療機器に必要な、販売前の届出)認可を取得したことを発表しました。
これによって、手の届きにくい部位での処置がより容易になります。

また、現在ISUの機能拡張もFDAに申請中です。
これは、術野内の解剖学的構造に基づいて手術中にリアルタイムでデータ収集を行うなど、より高度な機能であるとされています。

4. まとめ

アセンサス・サージカル(Asensus Surgical Inc.)の2021年上半期は、新規導入が2台(ただし臨床プログラム中)という結果になりました。
手術件数は増えていますが、なかなか導入数が増えていません。

2021年3月にFDAから一般外科への使用を承認されたり、機能拡張をしたりといった明るいニュースもあるのですが、なかなかインテュイティブ・サージカルのシェアが奪えずに苦戦している印象です。

売上に対して原価や費用が非常に大きく、頻繁に増資を行っている現状を見ると、クロとしてはまだ様子見を続けようと思います。

(アセンサス・サージカルの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)

今回の記事は2020~2021年のAsensus Surgical Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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