最近よく聞かれる”SaaS”や”MaaS”について、わかりやすくまとめました。
1. ”aaS”の意味=”as a Service”
”SaaS(サーズ / サース)”や”MaaS(マーズ / マース)”に共通する部分”aaS”は、”as a Service”の略で、その意味は”サービスとして”です。
近年、様々な商品や分野が、その価値をサービスとしての提供へシフトしようとしています。
また、このサービスの提供過程で月額制などの課金体系が取られることが多いため、”=サブスクリプション化”のように使われてしまうこともあります。
1-1. 身近なサービス化
今まで、多くの業種はモノを売った時点でその役割は完了していました。この場合、収入は製品の販売を行った時の1回のみ発生し、その後はノータッチです。
しかし、サービス化した場合は製品の販売が貸与に変わったり、継続的に収入が発生したりといった変化(ただし1回あたりの収入額が下がることが多い)が起きます。
例えば、近年ブランドバッグや洋服のレンタルサービスが人気を集めています。これは消費者が毎月決まった使用料を払うことで、色々な商品を借りることができるサービスです。
これはまさにバッグや洋服販売をサービスとして提供していると言えます。
2. SaaSとは
SaaSは”Software as a Service”の略語で、日本語にすると「サービスとしてのソフトウェア」となります。
今までパッケージソフトウェア(サーバーへソフトウェアをインストールして使用するもの。基本的に初期費用1回で全額を支払う=買い切り)だったものが、SaaS化によって、クラウドを用いてインターネット上でサービスとして使用できるようになってきています。SaaS化された場合、多くはインストールのための初期費用が不要に、もしくは減額され、代わりに使用料を支払うことになります。(無料の場合もある)
例えばGoogleのGmailやZoomなどが、このSaaSに当てはまります。ユーザーはソフトウェアのインストールやセットアップを行う必要が無く、インターネットさえあればすぐにサービス(ソフトウェア)を利用することができます。
3. PaaS / IaaS について
PaaSやIaaSもSaaSと近い言葉です。しかし、アプリケーション開発などで利用されるサービスなので、SaaSと比べるとあまり触れる機会はないかもしれません。
PaaSは”Platform as a Service”の略で「サービスとしてのプラットフォーム」と訳せます。プラットフォームはソフトウェアやシステムが実行される土台・環境(ハードウェアやOSなど)を指す言葉で、PaaSは”ソフトウェアを実行する環境を、インターネット上で利用できるサービス”を意味します。
インフラがネット上に既に用意されており、ユーザーはその環境上でアプリ開発を行うことができます。
IaaSは”Infrastructure as a Service”の略で、日本語だと「サービスとしてのインフラストラクチャ(インフラ)」です。インフラストラクチャとは、サーバーやネットワーク回線といった必要設備のことで、IaaSは”インターネットを介し、ユーザーが一からインフラ・環境(ハードウェアのスペックやOSなど)を含めた開発を行えるサービス”です。
4. MaaSとは
MaaSは”Mobility as a Service”の略語で、日本語では「サービスとしての移動」となります。
電車、バス、タクシー、レンタカー、飛行機などの交通手段を跨ぎ、検索・予約をワンストップで提供するサービス、概念のことを指し、海外では実際にMaaSを実現するアプリがリリースされています。
このアプリを使えば、ユーザーは目的地までの乗り換えなどを交通機関を問わずに一括して検索でき、そのまま予約・決済まで行えます。
日本ではまだあまり進んでいませんが、2020年には国土交通省がMaaS推進事業の選定を行っており、いずれ身近なものになるだろうと考えられます。
5. まとめ
近年は様々な分野でのサービス化が進んでいますが、ITが進化するにつれて、ネットワーク上で提供されるサービスも多種多様になってきています。
特にSaaSには多くの企業が取り組んでおり、フルクラウド3D CADサービスを提供するPTCや、ソフトウェアのみならずネットワークの商品すべてのサービス化を掲げるDELLなどもその中の一つです。
IT技術は今後もますます発展していくので、いずれは誰もが映画のように、小さな端末から様々な情報・ソフトウェアにアクセスし、操ることができる未来がやってくるのかもしれません。
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