先日発表されたアマゾン・ドット・コム(Amazon.com Inc / AMZN)の9月締め四半期決算(2021年第3Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。
■アマゾン・ドットコムの事業内容や年次決算をまとめた記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較
今期(第3Q)はEPSも売上もアナリスト予想を下回る結果でした。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
前期と比較すると、売上が2%、純利益が59%減少しました。
純利益の減少は、売上の減少、事業に関する各種費用・法人税引当金の増加、前期に大きかった事業外収益(大部分がワラントの評価益)の減少によるものです。
一方、前年同期比では売上が15%増加しています。ただこちらも純利益は50%減少という結果で、主な要因は前期と比較した際とほぼ同じです。
なお、第3Qまでの9ヶ月間を前年同期と比較すると、売上は28%の増加、純利益は35%の増加となっています。
3. その他の補足
3-1. 第4Qガイダンス
2021年第4Qの売上予測は1,300億ドル~1,400億ドルと発表されました。
これが実現すれば、前年同期(2020年第4Q)比で4%~12%成長することになります。
一方営業利益は0~30億ドルと予測されており、前年同期の69億ドルと比較すると、57%~100%減少する計算です。
ちなみに今期は48.5億ドルだったので、予測通りの業績であればそれよりも更に減少することになります。
この利益の減少に関しては、”第4Qには、労働力不足・賃金コスト増加やサプライチェーンの問題、配送料増加といった問題に対応するため、数十億ドルの追加コストを予測している”といった発言がありました。
4. まとめ
アマゾン・ドットコム(AMZN)の第3Qは、売上が2020年同期を上回ったものの、利益が大幅に減少する結果でした。
また、第4Qも利益の面ではあまり期待できそうにありません。
ただ、こういった費用の増加は短期的なもので、長期的に見れば良い選択だとしており、この状況がいつまでも続くことはなさそうです。
また、見通しを事前に予告していたため、第3Qの決算発表では株価が大きく下落することはありませんでした。
(アマゾン・ドットコムの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2020~2021年のAmazon.com Incの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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