アメリカン・ウェル(American Well Corp 略称・ブランドAmwell / AMWL)の12月締め四半期決算(2022年第4Q)について、アナリスト予想とも比較しつつ内容をまとめていきます。
■アメリカン・ウェルの事業内容や年度末決算など銘柄分析した記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較
今四半期は、久しぶりにEPS・売上両方のアナリスト予想をクリアしました。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
売上は前年同期比20%増加、純損失は5%の減少となりました。
全体的に費用は増加していますが、一般管理費が減少したため、最終的な損失が削減されています。
今回発表されたプレスリリースでは管理費の減少理由は述べられていないので、この点は正式な決算書で何かしら説明があるのか待ってみたいと思います。
売上の内訳としては、医療機関や保険組合などの顧客からのプラットフォーム利用料(サブスク収益)が30百万ドルで前年同期比14%増加、訪問料(サブスク契約外の収益)が31百万ドルで前年同期比19%増加となっており、どちらも増えています。(残り12百万ドルはその他の収入)
なお、訪問者数(サービス利用者数)はコロナ特需のあった一時期よりは少ないものの、前四半期から約10万人増加して150万人となり、アクティブプロバイダー数は91,000に増加しました。
3. その他の補足
3-1. 通年の結果
2021年の売上は253百万ドルで前年比3%増加、純損失は176百万ドルで前年比21%減少しました。
通年で見ても一般管理費の減少は大きく影響しています。
ただ、調整後(non-GAAP)EBITDAは-123百万ドルとなり、損失が32%増加しました。
これは主に株式報酬が減少したことによるものです。(non-GAAP指標として調整する際に、加算される金額が小さくなった)
売上の内訳を見てみると、サブスクリプション収益が前年比10%増加したものの、サブスク契約外の収益は1%減少しています。
3-2. ガイダンス
2022年通年のガイダンスでは、売上を275百万ドル~285百万ドル(2021年比9%~13%の成長)、調整後(non-GAAP)EBITDAを-200百万ドル~-190百万ドル(2021年比63%~54%の損失増加)と見込んでいます。
ただ、アナリスト予想(※Yahoo!financeより)では、通年売上は312.15百万ドルと予測されており、ガイダンスは予想値を下回る数値となりました。
4. まとめ
アメリカン・ウェル(AMWL)の2022年第4Q、そして通年の結果を見ると、新型コロナによる特需が落ち着いて成長が鈍化していることが伺えます。
ただ、伸び率に幅はあるものの、2021年は四半期ごとに売上を増加させ続けました。
特に大きく売上が増加した第4Qは、季節柄、風邪などのリスクが高まって需要に繋がった可能性もありますが、引き続き売上を増加させ続けられるか追っていきたいと思います。
(アメリカン・ウェルの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2020~2021年のAmerican Well Corpの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
過去の分析記事はこちらに一覧化しています。他セクターの記事や、競合大手テラドックの四半期決算などもまとめています。
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