2021年6月四半期決算【AMWL】アメリカンウェル

米国株の四半期決算
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アメリカン・ウェル(American Well Corp 略称・ブランドAmwell / AMWL)の6月締め四半期決算(2021年第2Q)について、アナリスト予想とも比較しつつ内容をまとめていきます。

アメリカン・ウェルの事業内容や年度末決算など銘柄分析した記事はこちらにあります。

1. アナリスト予想との比較

赤字が続いているものの、直近の2期のEPSはアナリスト予想を上回っています。

AMWLのEPS_アナリスト予想と実績比較

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。

2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

AMWLの売上高・純利益(損失)

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)

2021年第2Qの売上は第1Qより増加したものの、あまり大きな伸びではありません。
また、前年同期と比較すると減少しています。
これは2020年の売上が、コロナ感染拡大による特需を受けて特に大きかったことが影響しています。

前年同期と比較しつつ売上の内訳を見ると、医療機関や保険組合などの顧客からのプラットフォーム利用料(サブスク収益)が増加した一方で、訪問料(サブスク契約外の収益)が減少していました。

元々この訪問料はパンデミックによって2020年に急増した収益であり、その影響が落ち着いてきたことがうかがえます。(2020年のプラットフォーム利用料は前年比18%増加なのに対し、訪問料は188%増加していた)
なお、パンデミック前である2019年の売上の半分以上はプラットフォーム利用料でしたが、2020年には40%になり、2021年上半期では44%を占める程度です。

また、2021年第2Qのアナリストによる売上予想は61.47百万ドルとされており、これを下回る結果となりました。
ただ、粗利率は前年同期の36%から44%へと改善しています。

3. その他の補足

3-1. 今後の見通し修正

アメリカン・ウェルは、第2Qの結果や新型コロナのデルタ株に関する状況の変化(マスク義務化などで、冬の風邪やインフルエンザの需要が減る見通しなど)も考慮し、2021年の見通しを以下のように修正しました。

売上高は260~270百万ドル予想から252~262百万ドルへ下方修正、調整後のEBITDAは、ー157百万ドルからー146百万ドルに上方修正しています。

3-2. プロバイダー・サービス利用数

コロナ特化のプロバイダーがプラットフォームから離脱したことで、プロバイダー数は第1Qの81,000社から71,000社に減少しました。

また、季節的な要因から訪問者数(サービス利用者数)が減少し、第1Qの160万人から、第2Qは130万人となりました。

4. まとめ

アメリカン・ウェル(American Well Corp)の2021年第2Qは、売上は大きく伸びないものの、損失が少々削減されたり、粗利率が改善するなどの成果が見られました。

ただ、競合となるテラドックは買収の影響を省いても売上を伸ばしており、アメリカン・ウェルの売上は物足りないようにも見えます。
しかし一方でテラドックは損失も大きく拡大しているので、その点ではアメリカン・ウェルの方が堅実です。(ただ、それでもアメリカン・ウェルも赤字かつ、営業活動によるキャッシュフローもマイナスのまま)

アメリカン・ウェルの四半期決算では、売上やプロバイダー数などではっきりとコロナ特需の減少を感じますが、日常的な医療でのプラットフォーム利用が更に進むよう期待します。
クロ個人としては今はまだ買い時ではないと思っていますが、引き続き追っていきたい銘柄です。

(アメリカン・ウェルの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)

今回の記事は2020~2021年のAmerican Well Corpの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

過去の分析記事はこちらに一覧化しています。他セクターの記事や、競合大手テラドックの四半期決算などもまとめています。

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