2022年2月23日に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、5社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移、2022年のガイダンスなど(一部記載のない企業もあり)を見ての簡単な所感をまとめました。
本日は、オークションサイト大手のイーベイの決算が発表されました。EPS、売上の結果はクリアしたものの、ガイダンスがコンセンサスを下回っています。
また、自らのガイダンスを達成できず、次年のガイダンスもかなり弱気な内容となったスキルズは、プレでの株価が30%以上(記事作成時点の数値)の下落を見せています。
1. 四半期決算
1-1. ロウズ・カンパニーズ(LOW)
ホームセンターチェーンの大手。
最近はアナリスト予想をクリアする期が続いています。
売上・利益も前年より増加しました。
2022年通年のガイダンス(1月締め決算。ロウズは2022年としているが、2023年1月に終わる一年間)では、97,000百万ドル~99,000百万ドルの売上、13.1ドル~13.6ドルのEPSを見込んでいるとし、以前のガイダンス内容から引き上げました。
アナリスト予想(※Yahoo!financeより)の通年売上は96,990百万ドル、EPSは12.94ドルとなっているので、ガイダンスはこの予想値を上回る内容となっています。
1-2. イーベイ(EBAY)
大手オークションサイトを運営する。
アナリスト予想をクリアする期が続いています。
前年比増収増益となっており、特に利益は前年の2倍以上に大きく増加しました。
ガイダンスでは、2022年第1Qの売上を2,430百万ドル~2,480百万ドル(前年比-7%~-5%)、通年の売上を10,300百万ドル~10,500百万ドル(前年比0%~3%の成長)としています。
またnon-GAAP EPSは、第1Qに1.01ドル~1.05ドル、通年で4.2ドル~4.4ドルという予測です。
アナリスト予想(※Yahoo!financeより)は、売上が第1Q 2,620百万ドル、通年10,950百万ドル、EPSは第1Q 1.1ドル、通年で4.51ドルとなっています。
売上・EPSのどちらもガイダンスが予想値を下回る結果となりました。
1-3. ルート(ROOT)
テクノロジーによって利用者の運転を評価し保険料を定める、自動車保険を提供する。
2四半期連続で、EPS、売上がアナリスト予想を上回りました。
通年で見ると再保険への出再が増加し、ルート自身の売上は減少しました。
ただ、今四半期はこの出再が前年同期よりも減少したことや、支払利息が減少したことなどによって、総収益の増加、損失の削減につながっています。
また、前四半期と比較すると減少した総収入保険料ですが、前年同期比では増加しています。
具体的な売上などのガイダンスはありませんが、営業損失(事業からの損失)の大幅な削減を見込んでいるとしており、上半期には前年同期比25%の改善を予測しています。
※過去の年次決算・四半期決算の売上には、既経過保険料に再保険の調整や保険料以外の収入を加味した総収益を掲載していますが、この表での売上は、期間内に受け取った総収入保険料を指します。
■ルートの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。(監査後の2021年決算反映版を準備中です)
1-4. リボルブ・グループ(RVLV)
ミレニアル世代とZ世代のファッションに特化したECサイトを運営する。
アナリスト予想をクリアし続けています。
売上は前年同期比70%増加し、純利益も55%増加しています。
2021年第4Qの力強い伸び(成長率)は現在(2022年1月1日~2月20日までを指す)まで続いているとしていますが、前年(2021年)の3月の売上の伸びが大きかったことから、2022年第1Qの残りの期間に同様の成長率を保つのは難しいという旨の記述がありました。
なおアナリスト予想(※Yahoo!financeより)では2022年第1Qの売上が235.26百万ドルとされており、前年同期比31%の成長が見込まれています。
■リボルブの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。(監査後の2021年決算反映版を準備中です)
1-5. スキルズ(SKLZ)
ソフトウェア開発を含んだモバイルゲーム・プラットフォームの提供、このゲームを用いたeスポーツ大会の開催などを行う。
また、スキルズのプラットフォームのゲームにおいては、プレイヤーが金銭を賭ける(参加費を払い、賞金を得る)ことができる。
今四半期は、EPS、売上ともにアナリスト予想を下回りました。
今四半期の売上は前年同期比61%の増加、純損失は48%の増加です。
また、通年での売上は389百万ドルとしていたガイダンスを下回り、384百万ドルとなりました。
ユーザーに関する指標としては、MAU(月間アクティブユーザー)が370万人となり、前年同期の240万人から増加しました。
また、ユーザーあたりの平均収益は9.4ドルから9.8ドルに増加し、プラットフォーム内の有料イベントに月1回以上参加したユーザーの平均は39万人から61万人に増加しました。
ただ、2022年通年のガイダンスでは400百万ドルの売上を見込んでいますが、アナリスト予想(※Yahoo!financeより)では548.8百万ドルとなっており、ガイダンスは予想値に比べてかなり低い数値です。
2. まとめ
本日ピックアップした中では、ロウズ・カンパニーが好調な内容でした。
また、その他の銘柄では、アナリスト予想を下回るガイダンスや弱気な発言などが目立っています。
本日まとめた銘柄に限った話ではありませんが、一部の企業にとって2021年は、新型コロナによる打撃から回復し、脱コロナ社会の機運が過熱した時期なので、前年同期と比較する成長率という視点では少々苦しい内容になっていくかもしれません。(2020年の業績が良くなかった企業は、2021年の成長率が大きく出ていた)
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。
表内のEPS、売上はTradingViewの数値を、その他一部売上予測などはYahoo!financeより引用させていただいております。(いずれも記事作成日に閲覧した内容です)
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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