2022年2月17日に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、4社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移、2022年のガイダンスなど(一部記載のない企業もあり)を見ての簡単な所感をまとめました。
本日は注目度の高いパランティアの決算が発表されました。
売上が増加し、通年では赤字を削減できていますが、営業利益率のガイダンスなどがあまり強くなく、株価の下落につながっています。
1. 四半期決算
1-1. パランティアテクノロジーズ(PLTR)
国防や大企業向けにビッグデータ分析サービスを提供する。初めての顧客はCIAで、ウサマ・ビンラディン氏の所在地特定に貢献したという噂もある。
今四半期はEPSがアナリスト予想を下回りました。
売上は増加しており、四半期で見ると前年同期比34%増加、通年では41%の増加となっています。
また、今四半期は前年同期よりも損失が少々増えましたが、通年では前年の半分以下に削減できました。
ガイダンスでは、2022年第1Qの売上として443百万ドル、調整後の営業利益(non-GAAP指標。株式報酬費用などを省いた際の利益)率を23%と予測しており、通年の調整後営業利益率は27%と見込んでいます。
また、2025年まで売上成長率30%以上をキープするという予想も引き続き掲げられました。
なお2022年第1Q売上のアナリスト予想(※Yahoo!financeより)は439.16百万ドルとされており、わずかにガイダンスが上回っています。
ただ、調整後営業利益率のガイダンスに関しては、2021年第4Qの実績である29%から低下する見通しです。
■パランティアの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。
1-2. ウォルマート(WMT)
ディスカウントストアやスーパーを展開する小売り大手企業。
最近はアナリスト予想を達成する期が続いています。
業績を見ると伸び幅は小さいものの、増収増益となりました。
2023年度のガイダンス(1月締め決算なので、11月~1月期が第4Q)では、3%の売上増加を見込んでおり、事業売却(英国と日本の事業を売却済み)分を除くと4%の増加になると予測しています。
これはアナリスト予想(※Yahoo!financeより)をわずかに上回る数値です。
1-3. ファイバー・インターナショナル(FVRR)
フリーランサーのためのオンラインマーケットプレイスを運営し、クラウドソーシングサービスを提供するイスラエルの企業。
アナリスト予想をクリアする期が続いています。
売上は、四半期は前年同期比43%、通年で57%増加しました。
ただ、赤字も前年同期の数倍単位でかなり大きく増加しています。
ガイダンスでは、2022年第1Qの売上を85百万ドル~87百万ドル(前年同期比24%~27%の成長)、通年売上を373百万ドル~379百万ドル(前年比25%~27%の成長)と見込んでいます。
アナリスト予想(※Yahoo!financeより)は2022年第1Q売上が85.51百万ドル、通年売上が371.07百万ドルとされており、第1Qはガイダンスの範囲内(下限寄り)、通年はガイダンスが上回る結果となっています。
1-4. ロク(ROKU)
インターネットテレビの接続機器(TVのストリーミングプラットフォーム)を提供。無料番組が多く広告商品も展開する。
2四半期連続で売上がアナリスト予想を下回りました。
売上は大きく伸びており、通年では前年比55%増加しています。
また、2021年は初めて通年での黒字を達成しました。
ユーザー数の点でも、四半期ごとにアクティブアカウント数が増えています。
ガイダンスでは、2022年第1Qの売上を720百万ドル(前年同期比25%増加)と見込んでいます。
これは、アナリスト予想(※Yahoo!financeより)の748.51百万ドルを下回っています。
2. まとめ
本日ピックアップした中では、ウォルマート、ファイバー・インターナショナルが比較的好調でした。
また、決算数値だけを見ると、ロクは売上増加・アクティブアカウントの増加を続け、通年黒字を達成するなど良い内容です。
ただ、アナリスト予想を下回る売上が続き、次四半期のガイダンスも予想値に達しなかったことから、株価は下落が続いています。
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。
表内のEPS、売上はTradingViewの数値を、その他一部売上予測などはYahoo!financeより引用させていただいております。(いずれも記事作成日に閲覧した内容です)
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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