2022年2月8日に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、7社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移、2022年のガイダンスなど(一部記載のない企業もあり)を見ての簡単な所感をまとめました。
本日はエンフェーズ・エナジーの決算が発表されました。
売上の伸びが大きく、次四半期のガイダンスもアナリスト予想を超える内容となっています。
また、ファイザーも新型コロナワクチンによって売上が大きく増加しています。
1. 四半期決算
1-1. ファイザー(PFE)
大手医薬品メーカー。新型コロナ(COVID-19)ワクチン、治療薬で注目を集める。
今四半期は、売上がアナリスト予想を下回りました。
ただ、新型コロナワクチンの強い需要によって、売上・利益共に前年の約2倍となっており、特に今四半期に限って見ると利益は約4倍に増加しています。
2022年通年のガイダンスでは、980億ドル~1,020億ドルの売上を見込んでおり、これは今年(2021年)の売上81,288百万ドル(約813億ドル)を少なくとも21%超える予測です。
また、6.35ドル~6.55ドルのnon-GAAP EPSを見込んでいます。

1-2. チポトレ・メキシカン・グリル(CMG)
ブリトーやタコスなど、メキシコ料理のファストフードレストランチェーンを展開する。
食品の品質・安全性のアピールや、デジタル販売への注力が新型コロナによって変化した消費者行動とマッチし、注目を集める。
最近はアナリスト予想を達成し続けています。
今四半期の業績を見ると、法人税の調整によって利益が昨年より減少していますが、売上は増加しています。
通年では、売上が26%増加、純利益が84%増加という結果です。
2022年のガイダンスでは、既存レストランの売上は1桁台半ば~後半(%)の成長を見込んでおり、235店~250店の新店舗をオープンする予定を示しています。

■チポトレ・メキシカン・グリルの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。(監査後の2021年決算反映版を準備中です)
1-3. エンフェーズ・エナジー(ENPH)
太陽光発電におけるマイクロインバーターのメーカー。太陽光エネルギーのプラットフォームを提供する。
アナリスト予想を達成し続けています。
第4Qのみを見ると前年同期より純利益が減少していますが、売上は56%増加しました。
また、通年では増収増益となっています。
2022年第1Qのガイダンスでは、4億2,000万ドル(420百万ドル)~4億4,000万ドル(440百万ドル)の売上を見込んでいます。
これはアナリスト予想409.03百万ドル(※Yahoo!financeより)、410.541百万ドル(※TradingViewより)を超える内容です。

■エンフェーズ・エナジーの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。
1-4. アゼンタ(AZTA)
遺伝子シーケンシングのアウトソーシングやサンプル管理ソリューションなど、研究開発を支援する装置・サービスを提供する。旧ブルックス・オートメーションのライフサイエンス部門。
今四半期はアナリスト予想を達成しました。
また、前四半期の予想値との大きな乖離は、事業売却によるものです。
今四半期の売上は前年同期比18%増加、売却事業からの収益を除いた継続事業からの利益は6%増加となっています。
2022年第2Q(9月締め決算のため、10月~12月が第1Q)のガイダンスでは、売上を1億3,700万ドル(137百万ドル)~1億4,700万ドル(147百万ドル)、non-GAAP EPSは0.07ドル~0.15ドルと見込んでいます。
なお、売上のアナリスト予想は143.95百万ドル(※Yahoo!financeより)で、ガイダンスの範囲内となっています。

■アゼンタの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。
1-5. リフト(LYFT)
顧客とドライバーをマッチングさせるアプリケーションを通じて、オンラインのライドシェアリング(配車)サービスを提供する。
今四半期は、EPSがアナリスト予想を大幅に下回りました。
売上は2020年に一度減少しましたが、2021年は大きく回復(2020年比36%増加)しています。
ただ、それでも2019年の実績には届いていません。
損失額は2019年に大きく増加して以降、減少が続いています。(まだ赤字の状態)

1-6. インスパイア・メディカル・システムズ(INSP)
主に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の低侵襲(患者への負担が小さい)な治療ソリューションを手掛ける医療機器メーカー。
アナリスト予想は達成し続けています。
今四半期、通年のどちらで見ても、売上が増加し、損失が減少しています。
特に今四半期は損失を68%削減することができました。
2022年通年のガイダンスでは、3億1,800万ドル(318百万ドル)~3億2,600万ドル(326百万ドル)の売上を予測しており、前年比36%~40%の成長を見込んでいます。
なおアナリスト予想は312.74百万ドル(※Yahoo!financeより)で、ガイダンスはこの予想を超える数値となっています。

1-7. S&Pグローバル(SPGI)
顧客と金融サービス企業。信用格付けや市場調査なども行う。
アナリスト予想をクリアし続けています。
年単位で増収増益を続けており、今四半期も売上が前年同期比12%増加、純利益が49%増加しました。
IHS Markit(IHSマークイット)との合併が保留中となっており(2021年10月~11月に、EU、米司法省が一部事業売却の条件付きで承認)これが完了してからのガイダンス発表を予定しています。

2. まとめ
太陽光エネルギーのエンフェーズ・エナジーは好調な決算となりました。
注目している銘柄の一つなので、この勢いが維持されることに期待したいですが、太陽光パネルの材料の一つであるポリシリコンに関する世界情勢(新疆ウイグル自治区に関する)・動きが気になります。
場合によっては太陽光エネルギーセクター全体に影響が及ぶ可能性もあるので、注視しておきたい部分です。
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。
表内のEPS、売上はTradingViewの数値を、その他一部売上予測などはYahoo!financeより引用させていただいております。(いずれも記事作成日に閲覧した内容です)
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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