2022年1月18日に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、7社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移を見ての簡単な所感をまとめました。
本日も金融系の決算が多くなっています。
先日に引き続きアナリスト予想を達成できていない点や、労働賃金のインフレによる利益圧迫などが影響した弱気なガイダンスによって、株価への下方圧力が見られます。
1. 四半期決算
1-1. シルバーゲート キャピタル(SI)
銀行持株会社。子会社は仮想通貨に特化した事業を行うシルバーゲート銀行。
EPSのアナリスト予想を達成し続けていましたが、今四半期はクリアできませんでした。
また、売上も未達となっています。
ただ、2021年通年では利息による収益が約130百万ドル(1億3,000万ドル)で、前年比64%増加しています。
総売上は約176百万ドル(1億7,600万ドル)で前年比78%の増加という結果で、純利益は昨年の約3倍になりました。
顧客の預金も大幅に増加しています。
1-2. トゥルーイスト・ファイナンシャル(TFC)
金融持株会社。子会社は小口銀行、商業銀行業務を行う。
最近はアナリスト予想をクリアしていましたが、今四半期のEPSは端数の部分で予想値に未達でした。
また、通年での総収益は約224億ドルで、前年比2%減少しています。
1-3. バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)
大手銀行持株会社。
最近はアナリスト予想をクリアしていましたが、今四半期のEPSは端数で予想値を下回りました。
ただ、前年同期比では、総収益が4%増加、純利益が15%増加しています。
また通年で見ると総収益は約159億ドルで、前年比1%程度の増加となりました。
金利による収益は約31%減少していますが、投資に関するサービス料などが増加し、相殺されています。
1-4. PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(PNC)
銀行支店数2,500店舗を超える金融持株会社。
2四半期連続でアナリスト予想を下回るEPSとなりました。
また、今期は売上も未達という結果です。
通年で見ると総収益は14%増加していますが、純利益は25%減少(2020年の非継続事業分を含んで計算)しています。
1-5. ゴールドマン・サックス(GS)
大手投資銀行。
今四半期はEPSがアナリスト予想を下回りました。
通年で見ると増収増益(特に純利益は前年の約2.3倍)となりましたが、第1Q~第4Qまでの間で、徐々に売上・利益が減少してきています。
ゴールドマン・サックスの四半期(第4Q)決算や銘柄分析はこちらで詳しく解説しています。
1-6. J.B.ハント・トランスポート・サービシズ(JBHT)
米国外でも事業を行う輸送業持株会社。
アナリスト予想をクリアする期が続いています。
また、直近の4四半期はEPS、売上が徐々に増加しています。
通年での売上は前年比26%増加で、過去数年を遡っても売上は年々成長していました。
なお営業利益は前年比47%増加、純利益は前年比50%増加となっています。
1-7. チャールズ・シュワプ(SCHW)
金融持株会社。
今四半期はEPS、売上ともにアナリスト予想を下回りました。
ただ、第4Qを前年同期と比較すると、売上は13%増加、純利益も39%増加しています。
また、通年で見た売上は前年比58%増加と大きく成長しており、純利益も前年比77%増加となっています。
2. まとめ
金融関連の企業はアナリスト予想を下回ったものが多く、今回まとめた企業の中で予想値をクリアしたのは、輸送業を営むJ.B.ハント・トランスポート・サービシズ(JBHT)のみでした。
先週発表分(総ざらい記事で取り上げたもの)を見ても、EPS、売上をクリアした金融銘柄はシティグループ(C)、ウェルス・ファーゴ(WFC)の2社だけです。
賃金上昇という課題がある上、金利収益を増加させづらい環境も銀行系銘柄に逆風となっているようです。
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。なおEPS、売上はTradingViewの数値を使用させて頂いています。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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