2021年12月13~17日に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、10社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移を見ての簡単な所感をまとめました。
1. 四半期決算
1-1. ゼッジ(ZDGE)
スマートフォンの着信音や壁紙を配信・ダウンロードできるプラットフォーム”Zedge”を提供。サブスクリプションや広告で収益を得る。
EPS、売上ともにアナリスト予想をクリアしています。
これまで売上の継続的な増加はありませんでしが、2021年に入り売上が急増しています。
これらは広告の最適化や料金の上昇などによるものとされています。
1-2. ジェイ・ジル(JILL)
40代~60代の女性向け衣料の小売業に従事する。
今期はEPS、売上ともにアナリスト予想をクリアすることができました。
2020年1月期、2021年1月期(いずれも年間)は赤字でしたが、今四半期は黒字です。
1-3. RCIホスピタリティ・ホールディングス (RICK)
旧社名はリックス・キャバレー・インターナショナル。ナイトクラブなどを運営する。
最近はアナリスト予想をクリアする期が続いています。
また、2019年(9月締め)までは毎年少しずつ売上を増加させていましたが、2020年に減少しました。
その後、2021年は2019年を超える売上を達成しています。
1-4. レナー(LEN)
住宅建設業者。購入者へのローンや保険の提供も行う。
今期はEPS、売上のどちらもアナリスト予想を達成することができませんでした。
年間売り上げを見ると毎年増加していますが、2020年(11月締め)は微増にとどまっていました。
1-5. アクセンチュア(ACN)
アイルランドの、世界最大級の経営コンサルティング企業。
戦略・業務・IT・広告など幅広いコンサルを手掛ける他、ITシステムの設計や開発などを提供するITサービス事業も行う。
前期の売上が予想に未達だったものの、今期はEPSとともにクリアしています。
また、売上額自体は増加傾向です。
1-6. アドビ(ADBE)
画像編集ソフトウェアを提供する。
PDFファイルを閲覧する”Acrobat Reader”、写真編集やイラストレーションなどに利用される”Photoshop”など有名ソフトウェアが多数ある。
アナリスト予想をクリアし続けており、売上も毎年増加しています。
1-7. フェデックス(FDX)
大手物流会社。
前期、前々期とEPSがアナリスト予想を下回りましたが、今期は達成しました。
年間で見ると2020年5月期は伸び悩んだものの、それ以外は売上が増加しています。
1-8. リビアン・オートモーティブ(RIVN)
ピックアップトラックやSUV、商業市場向けのバンを手掛けるEVベンチャー。
アマゾン(AMZN)が配送用バンを10万台発注したことも話題になった。
今期はIPO後初の決算です。
車両の納入が始まったことで売上が発生したものの、原価コストや営業費用、その他の費用が積み重なり、EPSは予想を大きく下回りました。
リビアンのより詳しい四半期決算分析はこちらにあります。
1-9. ダーデン・レストランツ(DRI)
イタリアンやステーキハウス、高級レストランなどを手掛けるレストランチェーン運営企業。
アナリスト予想をクリアするEPSを出し続けています。
ただ、年間売上(5月締め)を見ると直近2年は減少が続きました。
1-10. ウィニベーゴ・インダストリーズ(WGO)
キャンピングカーの大手メーカー。
アナリスト予想をクリアし続けています。
2019年の年間売上(8月締め)は伸び悩んでいたように見えますが、2020年、2021年と急激に増加しました。
2. まとめ
物流・配送大手のフェデックス(FDX)、キャンピングカーのメーカーのウィニベーゴ・インダストリーズ(WGO)が売上を大きく伸ばしています。
どちらもコロナ感染拡大による社会の変化が追い風になっている企業です。
また、IPOしたばかりのリビアン・オートモーティブ(RIVN)は、EPSが予想値より非常に低い結果となりました。
リビアンの今回の決算概要や生産台数や納入台数、受注残(予約数)などの指標は、こちらの記事で詳しくまとめています。
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。なおEPS、売上はTradingViewの数値を使用させて頂いています。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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