2021年12月1日に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、12社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移を見ての簡単な所感をまとめました。
1. 四半期決算
1-1. パターソン・カンパニーズ(PDCO)
歯科、獣医科、リハビリ市場に医療関連用品の卸売りを行う販売代理店。
2期前にEPSが予想値を下回っていますが、今期は売上とともにクリアしています。
1-2. クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)
クラウド型のサイバーセキュリティ。
過去のサイバー攻撃など顧客から得た情報を元に膨大なデータベースを更新し続けており、常に成長を続けている。
アナリスト予想をクリアし続けています。
売上の力強い成長は今期も継続されました。
また、今期の結果を受けて2022年1月期の通年見通しを引き上げました。
クラウドストライクの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
1-3. ファイブ・ビロー(FIVE)
10代をターゲットにした衣料やインテリア・雑貨、アクセサリー、菓子などを5ドル以下で販売する小売業者。
前期は売上が予想を下回りましたが、今期はクリアしています。
年単位での売上は増加を続けていますが、前年(2021年1月期)は成長率が少々小さい結果でした。
1-4. エヌシーノ(NCNO)
クラウドバンキングソリューションを提供。
個人・法人を問わず口座開設、審査、融資、顧客管理など、様々な業務を支援する。
アナリスト予想をクリアし続けており、売上も増加傾向を維持しています。
1-5. オクタ(OKTA)
ID管理の安全なプラットフォームを提供。
管理者側の使いやすさはもちろん、一度の認証で紐付けられた複数のシステム・ソフトウェアを再度の認証不要で使用できる”シングルサインオン”などでユーザーの利便性も向上させる。
アナリスト予想を達成し、売上も増加し続けています。
オクタの年次決算や事業内容をまとめた記事はこちらにあります。
1-6. スノーフレーク(SNOW)
柔軟性の高いクラウド型のデータウェアハウスと、そのデータを共有・活用・分析するプラットフォームを従量課金制で提供。
最近はアナリスト予想をクリアしています。
また今期は、前年同期比で売上が大きく増加したのに対し、純損失は若干減少しました。
売上は毎期増加し続けています。
スノーフレークの四半期決算についてはこちらで詳しく紹介しています。
1-7. シノプシス(SNPS)
半導体の設計作業を支援するソフトウェア(EDA。Electronic Design Automation)や機能ブロックの回路情報(IP。Intellectual Property)を開発、販売する。
今期は売上が若干アナリシス予想を下回りました。
ただ、売上は長く増加傾向です。
1-8. スプランク(SPLK)
オンサイト、クラウド、サードパーティなど、保管場所を問わずデータを収集し可視化する、ソフトウェアプラットフォームを提供。
顧客は膨大なデータを横断して一元管理することができ、素早い検索や分析、AIによる予測などを行える。
直近2期はアナリスト予想をクリアしましたが、予想を下回る期も多いです。
また、年間売上が昨年(2021年1月期)減少に転じています。
1-9. ヴィーバ・システムズ(VEEV)
ライフサイエンス市場向けにクラウドベースのアプリケーションソフトウェアを提供。
規制当局への申請文書や臨床試験・治験のデータなどを管理できる。
アナリスト予想をクリアし、売上も伸ばし続けています。
1-10. ズオラ(ZUO)
サブスクリプション形式のビジネスモデルを取る企業向けに、見積・請求・回収・分析・収益認識までのプロセスを自動化するSaaSアプリケーションを開発、販売している。
前期のEPSは端数で予測値を下回っています。
なお、あまり大きな成長率ではないものの、売上は増加傾向を維持しています。
1-11. シースリー・エーアイ(AI)
各業界向けに適した企業向けAIをSaaSアプリケーションとして提供する。
アナリスト予想をクリアし続けています。
また、売上は少しずつですが増加傾向を維持しています。
シースリー・エーアイの四半期決算について詳しくはこちらで紹介しています。
1-12. ピーブイエイチ(PVH)
”カルバン・クライン”やトミー・ヒルフィガー”などのブランドを持つ大手アパレルメーカー。
今期は売上がアナリシス予想を下回りました。
なお、新型コロナ感染拡大の影響で減少していた売上は、四半期ごとに見ると概ね戻ってきています。
2. まとめ
クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)、オクタ(OKTA)、スノーフレーク(SNOW)などの人気銘柄は、今期も四半期決算をクリアしたと言えそうです。
また、エヌシーノ(NCNO)、ヴィーバ・システムズ(VEEV)といったクラウドベースのソフトウェア企業も売上は増加傾向を維持しました。
一方スプランク(SPLK)は売上が停滞気味です。
新型コロナの変異株(オミクロン株)やテーパリング加速議論でグロース銘柄は厳しい地合いとなっているため今すぐ購入する気にはなれませんが、買い場を待ちつつ銘柄分析をしていきたいと思います。
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。なおEPS、売上はTradingViewの数値を使用させて頂いています。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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