2021年11月3日に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、21社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移を見ての簡単な所感をまとめました。
■ザイマージェン(ZY)、リボルブ(RVLV)を追加しました。
- 1. 四半期決算
- 1-1. アセンサス・サージカル(ASXC)
- 1-2. ディスカバリー・コミュニケーションズ(DISCA)
- 1-3. ノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディン(NCLH)
- 1-4. エレクトロニック・アーツ(EA)
- 1-5. エッツィ(ETSY)
- 1-6. フォックス(FOX/FOXA)
- 1-7. ファストリー(FSLY)
- 1-8. ハブスポット(HUBS)
- 1-9. リンカーン・ナショナル(LNC)
- 1-10. エムジーエム・リゾーツ・インターナショナル(MGM)
- 1-11. マラソン・オイル(MRO)
- 1-12. ピー・ティー・シー(PTC)
- 1-13. クアルコム(QCOM)
- 1-14. ロク(ROKU)
- 1-15. サンパワー(SPWR)
- 1-16. スキルズ(SKLZ)
- 1-17. ハイアット・ホテルズ(H)
- 1-18. マクサー・テクノロジーズ(MAXR)
- 1-19. メットライフ(MET)
- 1-20. ザイマージェン(ZY)
- 1-21. リボルブ・グループ(RVLV)
- 2. まとめ
1. 四半期決算
1-1. アセンサス・サージカル(ASXC)
一部機器を再利用可能(導入側のランニングコスト削減)な手術ロボットを開発・製造・販売。
今期はEPSがアナリスト予想通りでしたが、売上は予想値の倍以上の結果を出しました。
この3ヶ月間で日本でのリース契約が3件、ロシアでの販売台数が1台増加したことで、製品売上が増加しています。(なお、ロシアでは初導入となる)
アセンサス・サージカルの四半期決算について、詳しくはこちらで紹介しています。
1-2. ディスカバリー・コミュニケーションズ(DISCA)
ディスカバリーチャンネルで知られるメディア企業。
今期はEPSが予想値を38%下回りました。
また、売上は予想通りの数値です。
ディスカバリーの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
1-3. ノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディン(NCLH)
地中海やカリブ海などでリゾート風のクルージングを提供するクルーズ船運航持株会社。
今期はEPS、売上ともにアナリスト予想を下回っています。
ただ、今回は売上が1億5,000万ドルを超えており、コロナ感染拡大による大打撃から少しだけ回復したように見えます。(コロナ前の四半期売上は15億ドル~20億ドル前後)
1-4. エレクトロニック・アーツ(EA)
大手ゲームソフト会社。Apex Legendsやバトルフィールドシリーズ、FIFAシリーズなどが有名。
EPS、売上共にアナリスト予想を超えています。
特に今回はEPSが予想値より55%高い結果となりました。
ただ、過去数年分を見たところ、EPSと売上のどちらも上下の波があるようです。
1-5. エッツィ(ETSY)
ハンドメイドやヴィンテージ品の売買に特化したグローバルマーケットプレイスを運営。
EPS、売上ともにアナリスト予想を超えています。
ただ、2020年末~2021年始めをピークに、少々数値が低下しているようにも見えます。
1-6. フォックス(FOX/FOXA)
21世紀フォックスとも呼ばれる。テレビ放送・番組制作、映画制作などを行うメディア・エンターテイメント企業。
アナリスト予想を安定してクリアし続けています。
1-7. ファストリー(FSLY)
エッジクラウドのプラットフォームを運営。大手顧客が多い。
今期はEPS、売上共にアナリスト予想をクリアしました。
また、ここ最近の中では予測値に対して少々余裕のある結果です。
ファストリーの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
1-8. ハブスポット(HUBS)
世界各国へマーケティングソフトウェア、プラットフォームを提供。
アナリスト予想の数値を達成する期が続いています。
また、売上が力強く増加し続けています。
1-9. リンカーン・ナショナル(LNC)
保険・年金事業を行う持株会社。
今期はEPSが予想値を37%下回る結果でした。
一方、売上は9%上振れしています。
1-10. エムジーエム・リゾーツ・インターナショナル(MGM)
カジノなど統合型リゾートを所有し運営する。
今期はEPSがプラスの数値となり、アナリスト予想を大きく上回りました。
売上も増加を続けており、コロナ感染拡大による大打撃から徐々に回復しています。(なお、コロナ前の四半期売上は30億ドルを超えていた)
1-11. マラソン・オイル(MRO)
米国やカナダなどで石油・天然ガスの探鉱・生産を行う大手エネルギー企業。
今期は予測値をクリアしています。
また、コロナ感染拡大前の売上高にほぼ戻ってきています。
1-12. ピー・ティー・シー(PTC)
CADやPLM(ライフサイクル管理)などのSaaSを開発・販売。ライセンス契約を永久販売型からサブスク形式へ切り替え。
アナリスト予想をクリアし続けています。
また、今回はEPSが予想値より67%高い結果となっています。
PTCの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
1-13. クアルコム(QCOM)
携帯電話やスマホなどの半導体を開発し製造、販売する。
アナリスト予想をクリアする期が続いています。
また、年間で見ても2021年9月期はかなり好調で、売上は前年比43%増加、純利益は74%増加という結果です。
1-14. ロク(ROKU)
インターネットテレビの接続機器(TVのストリーミングプラットフォーム)を提供。無料番組が多く広告商品も展開する。
今期はEPSが予想値を大きく上回ったものの、直近の売上は少々伸び悩んでいます。
1-15. サンパワー(SPWR)
太陽光発電に関する事業を行う。品質に定評のあるソーラーパネルの製造などを行っていたがスピンオフし、現在はサービスや管理業務に注力する。
今期のEPSは予想通りの数値です。
また、売上は予想値を下回る期が続いています。
サンパワーの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
1-16. スキルズ(SKLZ)
モバイルゲームのソフトウェア開発やプラットフォームの提供、eスポーツ大会の開催などを行う。
また、スキルズのプラットフォームのゲームにおいては、プレイヤーが金銭を賭けることができる。
EPSがアナリスト予想を下回り続けています。
また、今期は売上も予想値に届きませんでした。
ただ、売上はじわじわと増加してきています。
1-17. ハイアット・ホテルズ(H)
ホテルや休暇用の不動産などを運営。
今期は不動産の売却益などがあり、EPSが大きくプラスになりました。
売上はアナリスト予想を下回り続けていますが、コロナによる打撃から徐々に回復してきています。
1-18. マクサー・テクノロジーズ(MAXR)
人工衛星の製造や衛星からの写真・地図データを利用したサービスを提供。
今期はEPSがアナリスト予想の数値通り、売上は2%未達という結果です。
マクサー・テクノロジーズの事業内容や年次決算をまとめた記事はこちらにあります。
1-19. メットライフ(MET)
生命保険を中心に幅広い保険を扱う大手保険会社。
EPSは安定してアナリスト予想をクリアしています。
また、今期の売上は予想値を4%超えました。
メットライフの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
1-20. ザイマージェン(ZY)
AIによって自動化されたプラットフォームで、合成生物学と遺伝子を組み替えた微生物による素材の開発・製造を目指す。
アナリスト予想を下回るEPSが続いています。
ザイマージェンの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
1-21. リボルブ・グループ(RVLV)
ミレニアル世代とZ世代のファッションに特化したECサイトを運営。
アナリスト予想をクリアし続けており、売上も増加してきています。
リボルブ・グループの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
2. まとめ
IT系、テック系銘柄の決算発表も増えてきました。
アセンサス・サージカル(ASXC)やサンパワー(SPWR)、ファストリー(FSLY)といった”これから”に期待したい銘柄が多くあります。
また、売上が増加を続けているハブスポット(HUBS)の存在感も大きいです。
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。なおEPS、売上はTradingViewの数値を使用させて頂いています。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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