2021年10月27日に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、18社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移を見ての簡単な所感をまとめました。
- 1. 四半期決算
- 1-1. ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)
- 1-2. ハーレーダビッドソン(HOG)
- 1-3. ガーミン(GRMN)
- 1-4. クラフト・ハインツ(KHC)
- 1-5. コカ・コーラ(KO)
- 1-6. マクドナルド(MCD)
- 1-7. ボーイング(BA)
- 1-8. ノーフォーク・サザン(NSC)
- 1-9. ゼネラル・ダイナミクス(GD)
- 1-10. ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)
- 1-11. ゼネラル・モーターズ(GM)
- 1-12. スポティファイ・テクノロジー(SPOT)
- 1-13. イーベイ(EBAY)
- 1-14. フォード・モーター(F)
- 1-15. テラドック・ヘルス(TDOC)
- 1-16. アフラック(AFL)
- 1-17. アイロボット(IRBT)
- 1-18. サービスナウ(NOW)
- 2. まとめ
1. 四半期決算
1-1. ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)
リゾートホテルなどを経営するホテルチェーン。
2020年のコロナ感染拡大によって大きな打撃を受けましたが、EPS、売上共に大きく回復してきています。
また、今期は久しぶりに両方の数値でアナリスト予想を達成しました。

1-2. ハーレーダビッドソン(HOG)
オートバイの大手メーカー。
コロナ前から売上は減少気味でしたが、2020年は特に大きく減少しました。
今期はEPS、売上共にアナリスト予想を達成し、回復を見せています。

1-3. ガーミン(GRMN)
GPSのパイオニア。専門機器の他、ウェアラブル製品なども手がける。
安定してアナリスト予想をクリアしていますが、今期は前期と比べると少々勢いが落ち着いたようにも見えます。

ガーミンの事業内容や年次決算について紹介した記事はこちらにあります。
1-4. クラフト・ハインツ(KHC)
大手食品メーカー。日本でもチーズやケチャップなどの加工食品が有名。
アナリスト予想の数値はクリアしていますが、売上やEPSの数値は若干低下気味です。
第4Qの売上が大きい傾向があるようですが、前年同期比でも減収となっている点が気になります。

1-5. コカ・コーラ(KO)
コカ・コーラ、ミニッツメイドなど、飲料の大手メーカー。
EPS、売上ともに増加傾向にあり、アナリスト予想も達成しています。
また、年間見通しを引き上げました。

1-6. マクドナルド(MCD)
大手ファストフードチェーン。
EPS、売上共に増加傾向です。
コロナによる不調から回復しているようです。

1-7. ボーイング(BA)
軍用部門も持つ大手航空機メーカー。
今期はEPS、売上共にアナリスト予想を下回った上、赤字の期となりました。
この赤字は、787機の生産上の問題解決のための費用(今期は10億ドルの見積もりのうち1億8,300万ドルを計上)、宇宙船の打ち上げ延期に関する費用の発生によるものとされています。

1-8. ノーフォーク・サザン(NSC)
鉄道貨物輸送を行う持株会社。
売上が予想を下回った期もありますが、比較的安定しており、数値も上昇傾向にあります。

1-9. ゼネラル・ダイナミクス(GD)
軍事用の重機などを開発・製造する。
今期は前期同様、EPSはアナリスト予想を達成したものの、売上が予想値に届きませんでした。

1-10. ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)
大手医薬品メーカー。主要商品は高血圧・糖尿病性腎症治療薬、HIV治療薬、抗血小板剤など。
大きな差はないものの、今期のEPS、売上共にアナリスト予想を達成しました。
また、EPSが上昇傾向にあります。

1-11. ゼネラル・モーターズ(GM)
大手自動車メーカー。
EPSはアナリスト予想を大きく超えましたが、売上が予想値より13%ショートしました。
半導体不足の影響もあって数値は減少気味です。

1-12. スポティファイ・テクノロジー(SPOT)
音楽のストリーミング配信・サブスクリプションを提供。
■以下の数値はTradingViewにてユーロから米ドルへ換算した数値です。
また、2021年第3Q(今期)の売上実績は、決算書の数値を記事作成時レート1.16で換算しています。
年間で見ると赤字が続いており、今期のEPSはアナリスト予想をも下回っています。
一方で、売上は予想値をクリアしていますし、今期は少額ながら営業利益も出ています。

1-13. イーベイ(EBAY)
大手オークションサイトを運営。
大きく差が開くことはないものの、EPS、売上のどちらもアナリスト予想を達成しています。

1-14. フォード・モーター(F)
大手自動車メーカー。
EPS、売上ともにアナリスト予想を達成していますが、半導体不足という状況もあって、売上は減少気味です。

1-15. テラドック・ヘルス(TDOC)
遠隔医療プラットフォームを提供。現状業界トップ。
今期はEPS、売上ともにアナリスト予想をクリアしました。
また、売上は増加が続いています。
ただ、買収の影響が大きいとはいえ前年同期と比較して赤字が増加していることも一応念頭に入れておきたいです。

テラドック・ヘルスの四半期決算についてはこちらで詳しく紹介しています。
1-16. アフラック(AFL)
医療・生命保険を販売。
EPSはアナリスト予想を18%上回っていますが、売上が予想値に達しませんでした。

1-17. アイロボット(IRBT)
ルンバなどの製造・販売を行うロボット専業メーカー。
今期はEPS、売上どちらもアナリスト予想をクリアしています。
特にEPSは予想を大きく上回る結果となりました。

アイロボットの事業内容や年次決算はこちらで紹介しています。
1-18. サービスナウ(NOW)
効率的な業務を実現するためのクラウド型単一プラットフォーム、SaaSを提供する。
EPS、売上のどちらもアナリスト予想をクリアし続けています。
また、売上は力強く増加を続けています。

2. まとめ
回復してきている航空セクターの中で、ボーイング(BA)は再び赤字となっています。
航空機の納入は進んでいるようですが、新たな問題の発覚によって大きな臨時費用が発生しました。
まだ見積もられた費用の全てを計上し終えていないようなので、今後も注意が必要となりそうです。
また、自動車メーカーも半導体不足の煽りを受け、少々厳しい期となりました。
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。なおEPS、売上はTradingViewの数値を使用させて頂いています。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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