2021年10月25日~26日の2日間に発表された米国企業の四半期決算について、個別記事のまだないものも含め、18社分の売上・EPS(アナリスト予想との比較)、売上や利益の推移を見ての簡単な所感をまとめました。
■ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)を追加しました。
- 1. 四半期決算
- 1-1. レストラン・ブランズ・インターナショナル(QSR)
- 1-2. キンバリー・クラーク(KMB)
- 1-3. バンク・オブ・ハワイ(BOH)
- 1-4. エアロジェット・ロケットダイン・ホールディングス(AJRD)
- 1-5. フェイスブック(FB)
- 1-6. ゼネラル・エレクトリック(GE)
- 1-7. スリーエム(MMM)
- 1-8. S&Pグローバル(SPGI)
- 1-9. ロッキード・マーチン(LMT)
- 1-10. ゼロックス(XRX)
- 1-11. ユナイテッド・バンクシェアーズ(UBSI)
- 1-12. チャブ(CB)
- 1-13. エンフェーズ・エナジー(ENPH)
- 1-14. アルファベット(GOOGL)
- 1-15. ツイッター(TWTR)
- 1-16. マイクロソフト(MSFT)
- 1-17. ビザ(V)
- 1-18. ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)
- 2. まとめ
1. 四半期決算
1-1. レストラン・ブランズ・インターナショナル(QSR)
バーガーキング、ティムホートンズなどのファストフードレストランを運営。
今期はEPSがアナリスト予想を達成しましたが、売上は予想を下回りました。
コロナ感染拡大による2020年の打撃から回復してきてはいるものの、売上・純利益共に少々波があり、あまり勢いがありません。
レストラン・ブランズ・インターナショナルの事業内容や年間決算をこちらで紹介しています。
1-2. キンバリー・クラーク(KMB)
ティッシュペーパーや紙おむつなど、主に紙製の日用品を製造するメーカー。
3期連続でEPSがアナリスト予想を下回っています。
今期の売上は予想値をクリアしたものの、あまり大きな差はありませんでした。
1-3. バンク・オブ・ハワイ(BOH)
ハワイ州最大の銀行。
EPS、売上ともにアナリスト予想を上回っていますが、数値自体は横ばい気味です。
1-4. エアロジェット・ロケットダイン・ホールディングス(AJRD)
航空宇宙・防衛製品メーカー。ロッキード・マーチン(LMT)に買収されることが発表されているが、FTCによって独占禁止法の問題がないか調査中。
EPSはアナリスト予想をクリアしましたが、売上は未達でした。
また、買収の行方が少々不安視されています。
1-5. フェイスブック(FB)
Facebook、InstagramといったSNSを運営。主な収益は広告。また、収益に占める割合はまだ小さいものの、VR・メタヴァースに注力。
今期はEPSがアナリスト予想を達成したものの、これまでのような大きな差(プラス)はありませんでした。
また、売上は予想値に満たず、2%のマイナスとなっています。
スナップと同様に、アップルのiOSアップデートをはじめとするユーザーデータ収集の制限によって、広告収入に悪影響が出ているとしています。
フェイスブックの事業内容や年次決算はこちらの記事で紹介しています。
1-6. ゼネラル・エレクトリック(GE)
大手電機メーカーであり、エネルギーやインフラの提供、金融や医療のシステム・サービスなど非常に幅広い事業を行うコングロマリット(複合)企業。
EPSはアナリスト予想を33%と大きく上回りましたが、売上は未達の期が続いています。
ただ、例年第4Qの売上が比較的大きいようです。
1-7. スリーエム(MMM)
世界的な化学・電気の素材メーカー。
EPS、売上共に、アナリスト予想をしっかりとクリアしています。
1-8. S&Pグローバル(SPGI)
金融サービス企業。信用格付けや市場調査なども行う。
EPS、売上共に増加を続けていましたが、今期は前期を若干下回りました。
ただ、それでもアナリスト予想はしっかりとクリアしています。
1-9. ロッキード・マーチン(LMT)
航空宇宙・防衛製品メーカー。米国最大手。
EPSはアナリスト予想を達成していますが、売上が予想を下回りました。
また、年間ガイダンスや2022年の売上見通しでも売上減少の予測を発表したため、株価は大きく下がっています。
ロッキード・マーチンの四半期決算について詳しくはこちらで紹介しています。
1-10. ゼロックス(XRX)
印刷機器メーカー。関連サービスも提供。
EPSはアナリスト予想をクリアしていますが、売上は未達でした。
年単位でも売上は減少傾向にあり、2021年の着地点が気になるところです。
1-11. ユナイテッド・バンクシェアーズ(UBSI)
銀行持株会社。
今期はEPS、売上ともにアナリスト予想をクリアしました。
しかし直近の売上は少々減少気味です。
1-12. チャブ(CB)
損害保険を扱う持株会社。
EPS、売上共にアナリスト予想をしっかりクリアしています。
また、EPSは多少上下していますが、売上は増加を続けています。
1-13. エンフェーズ・エナジー(ENPH)
太陽光発電用のマイクロインバーター技術、関連ソフトウェア、サービスなどを提供。
EPS、売上共にアナリスト予想を上回っています。
また、売上が四半期ごとにかなり大きく伸びています。
1-14. アルファベット(GOOGL)
持株会社。検索サイトgoogleの運営の他、YouTube、ブラウザ、クラウドサービスなど多岐にわたるITサービスを提供。
EPS、売上共にアナリスト予想を達成しました。
予想値との差は小さくなっていますが、数値自体は上昇傾向にあります。
1-15. ツイッター(TWTR)
SNS”Twitter”を運営。
今期はEPS、売上共にアナリスト予想を下回りました。
EPSがマイナスになったのは、事業への投資と株主からの訴訟に対する一時的な費用が大きかったためです。
次期は訴訟費用と和解金(計上済み。第4Qに支払う予定)がなくなり、再び黒字になる見込みだとされています。
なお、第3Qの収支から訴訟関連費用を除いて計算した場合、約2,300万ドルの営業利益が生じる内容でした。
また、スナップやフェイスブックの業績に悪影響を及ぼしたアップルのユーザーデータ収集制限に関するiOSアップデートですが、現時点ではツイッターにはあまり影響がないようです。
プレスリリースでは、このアップデートに関する影響を評価するのは時期尚早としつつ、第4Qも今期同様に影響は小さいだろうという旨の発言がありました。
1-16. マイクロソフト(MSFT)
ソフトウェア大手。多様なソフトウェアの開発・製造・販売、クラウドサービスなどを提供。
安定してアナリスト予想をクリアしています。
年間の売上高も増加を続けており好調です。
1-17. ビザ(V)
決済処理のプラットフォームなどを提供するクレジットカード会社。
安定してアナリスト予想を上回り続けています。
また、売上高は増加を続けており、コロナ感染拡大によって受けた打撃から回復傾向にあります。
1-18. ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)
オンラインでの投資を手軽に手数料無料で行えるプラットフォームを提供。
今期はEPS、売上ともにアナリスト予想を大きく下回りました。
また、前期と比較しても売上が減少しています。
ロビンフッドの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
2. まとめ
序盤に決算を発表した企業に続き、コロナ感染拡大によって悪影響を受けたセクター(航空会社や飲食店など)は回復してきています。
一方、ユーザーのアクセスデータなどを元に広告を掲載していた企業は売上に影響が出てきているものも多く、明暗が分かれるような形となっています。
また、マイクロソフト(MSFT)やグーグル(GOOGL)といったIT大手、S&Pグローバル(SPGI)などは安定した強さを見せました。
今回の内容は個別の分析記事とは違い、売上や利益にフォーカスした、より簡略的なものとなっています。なおEPS、売上はTradingViewの数値を使用させて頂いています。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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